家庭教師がお婿さん探しだったとは

一人っ子で超がつくほどの箱入り娘として育てられた私、高校生の頃塾に行きたいと父にお願いしたら、変な虫がつくから!と言って塾には通わせてもらえませんでした。

そんなある日、母が叔母さんから紹介してもらったという有名医科大学に通う学生を私の家庭教師にすると言ってわが家に連れてきました。
父がプチ面接をすると言って連れてこられたその家庭教師、実は叔母が持ってきたお見合い話だったのです。

母は世間にもまれて私がけがれる前に、しっかりとした人と結婚させたい!と常々言ってはいましたが、高校生の私にいずれお医者様になるであろう予定の、まだ学生の”医者の卵”を薦めるなんてさすがにビックリしました。

母が私のためにと実行した最初で最後のことでした。
そんなこととは知らされず面接官となった父ですが、清潔感があり物怖じしない家庭教師を一目見て好感を持ったようです。

週に2度やってくる家庭教師をとても気に入り、母に「先生みたいな人が婿になってくれたらな・・・。」と言い出し、トントン拍子に話がまとまってお付き合いが始まると同時に婚約。
立派な跡取り息子ができて嬉しいと私そっちのけで父も母も大喜びしています。

家庭教師のコーディネーター

私が家庭教師を探していると、友達から「紹介するよ」と言われました。
翌日待ち合わせの場所に行くと、友人は小学生5年生くらいの男の子を連れていました。

小学生は「家庭教師のことなら僕に任せて下さい」と言って、分厚いリストを見せてくれました。
リストは勿論、小学生の子ども達の得意科目・不得意科目や塾の模試の成績と全国順位まで載っていました。

彼は塾友達の許可を得て、このリストを作成し、その子にあった家庭教師を紹介しているそうです。
すごすぎます。
しかし、こういう子どもらしくないタイプ私は苦手です。

でもこの子のしている事は需要と供給が成り立っていて、結果的に喜ばれているのであれば、この小学生をコーディネーターとでも呼ぶのでしょうか。
なんとも言い難いです。

家庭教師の業界は活況ではありますが、今では、プロ家庭教師も存在し、大学生のバイトとしての参入は難しくなっているはずです。
にも関わらず、大学生の家庭教師のPRは画一的で、これでは就職面接官も苦い顔をするだろうなという印象です。

大学生が家庭教師のバイトをするために、地域フリーペーパー等へ投稿するコーナーがありますが、本当に誰もが同じようなコメントばかりで食指が動かないのです。
教える科目を羅列し、締めの言葉は「頑張ります」「医大生です」などといった程度。

医大生という肩書きなら親御さんが飛びつくと思っているのなら、勘違いも甚だしいですね。
マーケティング能力の欠如が垣間見れます。