遠距離恋愛中のデートは濃密
当時お互いに多忙を極めていた私と彼のデートは、遠距離恋愛ということもあって、2ヶ月に1回。
さぞ仲睦まじいデートをするのではと思われるかもしれないが、そうとは限らない。
なにしろ久々の休みなので、2人ともデートに自分のやりたいこと、好きなものを組み込むのだ。
2人の好きなものが本にお酒と、共通しているのは幸いだった。
そんなわけで、待ち合わせはいつも大型書店。
再会の喜びもそこそこに、目当ての本を探すため別行動。
心行くまで書店探索を満喫したらレジ前で落ち合って、日の暮れはじめた街へ出る。
そして2つ目の共通項であるお酒を楽しむため、落ち着いた雰囲気バーで乾杯。
なかなかいいムードになったところで、おもむろに先ほど購入した本を広げ、読書。
時折思いだしたように顔を上げ、お互いの読んでいる本についてぽつぽつと感想を語り合う。
気が付けば夜は更け、最終の新幹線の時間。
両手に本を抱えたまま彼をホームで見送り、しばしの別れ。
その彼が、現在の夫。
よく続いたものだと我ながら思う。
新婚の時は、すごかった。
何がすごかったかって、想像に難くないとは思うが、アッチの相性が良すぎたせいか。
暇さえあれば「仲良し」をしていたと思う。
遠距離恋愛を経て結ばれたためか、その反動なのかもしれない。
休まる日は無かった。
こういう身体のお付き合いの仕事をしている女性は、ホントにタフなのか。
それともお金で割り切れる強靭な精神力の持ち主なのか。
ホントに裸のお付き合いが好きかのどれかだろう。
遠距離恋愛はうまくいくか
遠距離恋愛をしたことがない。
遠距離になるから付き合えない、と言われてふられたことしかない。
だから、それが一体どういうものなのかはおよそ検討がつかない。
でも、世の中にはそれをうまくこなしている人がいる。
私の友人は、何年もの遠距離の末、めでたく結婚した。
付き合ってわりとすぐに彼が仕事の関係で遠くに行ってしまってから、ずっと離れて過ごしてきたが、その間ずっと仲睦まじかった。
その秘訣は何なのだろう。
遠距離のせいで別れてしまう人たちもたくさんいるというのに。
大分前になるが、その友人の結婚式に出席した。
そこで気づいたのだ。
どちらか片方が相手をとても大好きであるということを。
それはもちろん、「見た目」の話だ。
お互い大好きなのに間違いはないのだが、特にどちらか一方が全身で大好きというのを表現する必要があるようだ。
確かに、うまくいかないで別れてしまうカップルでは、お互い冷めてきて、というのをよく聞く。
ところが私のその友人夫婦を見る限り、新郎が新婦にぞっこんだった。
ぞっこんすぎて、二人の思い出の曲を弾き語りで歌っていた。
そして私はそこで、遠距離恋愛を成就させる秘訣を見たのだ。
どちらか一人でもきちんと愛情を表現することができれば、頻繁に会えないことはあまり障害にはならない。
かえって一回一回会う時間を大切にしてきたように思えた。
そうして愛を育んできた夫婦なので、これからもずっと仲良しでいて欲しい。
そして私が遠距離恋愛をすることになったときにアドバイスをして欲しい。
なんなら、近距離恋愛でもいい。
その機会を作って欲しい。
というのは他力本願過ぎるだろうか。