気持ちが冷めたとき
氷の溶けたアイスコーヒーをストローでゆるくかき混ぜ、グラスの下に溜まった水をおしぼりで拭って、そっと窓の外に目をやると、もうすることがなくなり、仕方なく向かいに座った彼をぼんやり眺めました。
カフェで彼に別れ話を切り出してから、かれこれ1時間。
私の心変わりをなじる彼の言葉は、申し訳ないけれど全く耳に入って来ず、ただただ「この時間が早く終わりますように」と、祈るばかりです。
他に好きな人ができたのではないけれど、ふと気づいたら気持ちが醒めていた…というのは、受け入れられない理由のようでした。
恋人だからといって、相手を明日も明後日もずっと好きだという保証はないし、気持ちが醒めた旨を正直に言うほうが誠実だと思ったのですが、なぜか私の不誠実さを責められているのでした。
付き合い始めるのは、何となくでもいいのに、別れる時ははっきり線を引かなくてはならないって、不思議です。
あれ?そういえば付き合いはじめたのは、いつからだったか。
顔を上げ、尋ねてみました。
「あの…私たち、付き合っていました?」ぽかんとした顔で、しばし私を眺めた後、彼は無言で席を立ちました。
それを見送りながら「修羅場にならなくて良かった」と、すっかり水っぽくなったアイスコーヒー飲み、穏やかな解放感を味わいました。
金銭の貸し借りは絶対にだめです
恋人と別れるのには、いろいろな理由があります。
性格の不一致、短所が目に付くようになった、存在が嫌になった・・・など。
いろいろな理由の中で、私がこれだけは避けたい!と思うことがあります。
金銭的なトラブルで別れるということです。
私の友人が、彼氏との金銭的なトラブルで別れることになりました。
最初は、1000円ぐらいを「ちょっと、貸して」といわれたそうです。
付き合い初めの頃は、抵抗無く貸していたようなのですが、それが、頻繁になってきて、金額が高くなってきたとき、友人は、「何か、おかしい」と思ったそうです。
しかし、彼を好きな気持ちが強く、彼に嫌われることを恐れて、断れなかったのです。
結局、彼とは別れる結果になったのですが、貸したお金は一切返ってこなかったそうです。